ワクチンってどんなもの?
 よーくご理解された上で、接種してあげてくださいね。

ワクチンとは、
「感染症の予防のために各種伝染性疾患の病原微生物からつくられた抗原の総称。弱毒化した生きた病原体を含むBCG・痘瘡・ポリオなどの生ワクチン、殺した病原体を材料にしたコレラ・インフルエンザ・日本脳炎などの不活化ワクチン(死菌ワクチン)、病原体が生産する毒素の毒性をなくしたジフテリア・破傷風などのトキソイドがある。」と大辞林にありました。

  • ワクチンとは治療薬ではなく、弱毒化された病原体であることを、是非ともご理解ください。従って、病気の子には接種できません。

  • 動物では、ジステンパーや汎白血球減少症、狂犬病、白血病ウィルス感染症などのウィルスによって引き起こされる病気が何種類もありますが、一度かかってしまうと治療薬がありません。中には一度かかると死に至る危険な伝染病もあります。

  • 動物が健康な時に、前もって病原体を体内に接種して、その伝染病に対する免疫抗体をつくらせることがワクチン接種の目的です。ワクチンは一刻も早く接種する必要があります。なぜなら、病気には潜伏期といって、病気にかかっていても見た目には元気な時期があるからです。そのような時期にワクチンを接種してしまうと発病してしまいます。

  • ワクチン接種前の診察は獣医師による問診、視診、聴診、検便などです。しかし、それだけでは十分にわからない病気もあります。まして、動物は言葉がしゃべれないので、病気の発見は遅れます。ですから高齢の子や持病のある子には、接種前に十分な検査が必要です。

  • 当院では安全性の高いワクチンを採用し、その冷蔵保存、期限管理、注射器、注射針の無菌管理、ワクチネーションプログラムにも万全を期す準備をしています。

  • ワクチンプログラムは、その動物の種類や月令、年齢、体調によって獣医師が決定します。ワクチンの種類により接種回数や接種部位が異なります。プログラム通りに接種されないと、病気の予防はできないことがあります。

ワクチン接種について知っておきたいポイント

  • ワクチンは伝染病から身体を守るのに必要な「免疫」とよばれる抵抗力をつけるために用いられます。

  • 子犬のワクチン接種はタイミングが重要です。確実な免疫力をつけるために、子犬では何度かワクチンを接種しなければなりません。

  • ワクチン接種でできた免疫は一生続くわけではないので、毎年1回のワクチン接種をおすすめします。

子犬の予防接種(混合ワクチン)について

 子犬はうまれてしばらくは母親ゆずりの免疫をもっています。この母親ゆずりの免疫がある間は病気を予防する作用がありますが、ごく短い間しか効きません。この免疫が切れる時期が子犬にとって一番危険な時期です。
 そして、この母親ゆずりの免疫に代わって子犬を病気から守る手段がワクチンです。
 しかし、免疫の切れる時期は個体によりまちまちです。また、母親ゆずりの免疫が残っているときにワクチンを注射しても効果はありません。

 そこで、今までは6〜8週令の早い時期にワクチンを接種する場合、最高5回のワクチンの接種が行われてきました。ですが、今はワクチンの開発も進み、1999年以後、4週令から接種でき、かつ、4〜6週令でも3回のワクチン接種で予防可能となりました(7週令以降の子犬、および成犬の初回接種は2回となります)。初回以降は従来どおり年1回ごとの追加接種となります。

混合ワクチンとは

 犬ジステンパー、犬伝染性肝炎、犬アデノウイルス2型感染症、犬パルボウイルス感染症、犬パラインフルエンザウイルス感染症、犬レプトスピラ病(2種類)の7種類の伝染病を予防するワクチンです(7種混合ワクチン)
 他に犬に必要なワクチンに狂犬病のワクチンがありますが、それは、混合ワクチンには入っていません。

--- ご注意! ---

ワクチンプログラムが全て終了してから2〜3週後までは、子犬は外に出したり、他の犬と接触させないようにして下さい。
ワクチン後は安静にし、1週間はシャンプーなどストレスのかかることは避けてください。

犬ジステンパー(神経がおかされる病気)

原 因
犬ジステンパーウイルス

うつりかた
感染している犬からうつる。食器・人の衣服を介して間接的にもうつる。

症 状
高熱が出て、目ヤニ・鼻水が出る。元気・食欲がなく嘔吐や下痢をする。ふるえ・激しいケイレンを起こす。

病気の経過
神経症状をおこして死亡する。(死亡率は非常に高い)

人間への感染
うつらない。

犬伝染性肝炎(肝臓がおかされる病気)
原 因
犬伝染性ウイルス

うつりかた
ジステンパーとほぼ同じ。感染している犬の尿からもうつる。

症 状
元気がなくなり嘔吐・下痢をする。目が白くにごる。

病気の経過
一晩で死亡するもの、症状が重いもの、軽いもの、症状を示さないものがある。(子犬の死亡率は高い)

人間への感染
うつらない。

ケンネルコフ(肺や気管支などの病気)
原 因
犬パラインフルエンザウイルス・犬アデノウイルス2型・ボルデテラブロンキセプチカ菌・マイコプラズマなど。

うつりかた
感染している犬との接触。咳やクシャミなどの飛沫からうつる。いろいろな所から犬が集まる場所では特に発生が多い。

症 状
咳・鼻水のような肺炎・気管支炎などの症状が出る。

病気の経過
原因ウイルスと細菌などが同時に感染すると症状が重くなる。死亡するものもある。

人間への感染
うつらない。

犬パルボウイスル感染症(嘔吐や下痢をおこす病気)
原 因
犬パルボウイルス

うつりかた
感染犬の糞便または糞便に汚染された食器、人からもうつる。非常に伝染性が強い。

症 状
嘔吐や下痢(粘液便、血便)がおこる。子犬ではまれに心不全で突然死することもある。

病気の経過
子犬では特に症状が重篤で死亡するものが非常に多い。

人間への感染
うつらない。

レプトスピラ病(腎臓や胃腸をおかされる病気)
原 因
レプトスピラ菌(レプトスピラカニコラ・レプトスピライクテロヘモラジー)

うつりかた
汚染した下水・沼・田の水を飲んだりあるいは犬の尿からうつる。(ネズミがこの菌を運ぶ)

症 状
元気・食欲がない。嘔吐・血便をする。口臭がする。黄疸がでる。

病気の経過
手当が遅れると尿毒症をおこして死亡する。

人間への感染
うつることもある。

上記表文 日本全薬工業株式会社「犬のおそろしい伝染病」より

 
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